スポンサーサイト42.弱い人脈で、常識を疑う

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    2011-11-12

    前回、弱い人脈を使うことで、自分の立ち位置を常に確認できることをお話ししました。今回は、その点をもう少し深く掘り下げていきたいと思います。

    そもそも、「周りに流される」とはどういう状態なのでしょう?
    前回のボートの例を繰り返すと、自分の乗っているボートが固定されていないため、周りの漂流物と一緒に漂っている状態になります。しかも、あたりに目印になるものがないため、自分が流されているかどうかも判断することができません。そのため、自分ではブレずに立ち止まっていると信じていても、実際には大きな流れによって流されている状態です。

    さて、この「大きな流れ」ですが、一般社会では別の言葉で呼ばれています。それは「常識」という言葉です(他にも「当たり前のこと」や少し難しく「規範」「文化」などと呼ばれることもあります)。つまり、集団の中の「常識」が大きな流れを作っているのです。
    そして、流れに逆らうことは、「非常識」と呼ばれ、周りから非難されます。何しろ、ヒトは集団の調和を重んじるように進化を続けてきましたから、調和を乱すことは直感的に「悪」と感じてしまいます。非常識なヒトは調和を乱すだけですから、非難されてしかるべき存在なのです。

    しかし、非常識がすべて悪いわけではありません。以前に紹介した心理実験のように、常識自体がおかしな場合もあります。たまに使われますが、「○○の常識は、世間の非常識」というフレーズは、このことを的確に表現しています。
    ただし、特定の小さな集団の「常識」が、はたして(もっと大きな)世間から見て「妥当」なのか、あるいは「おかしい」のかを、その小集団の中から判断することは、非常に難しい問題です。何しろ、周りもその「常識」に支配されていますから、周りの様子をうかがっても、その常識が「おかしい」ことを見出すことはできません。つまり、集団の中を見ているだけでは、問題は発見できないのです。まさに、海に漂っているボートと同じ状態です。

    さて、ここでは「集団」という言葉を使いましたが、これを「会社」あるいは「部署」と置き換えても同じです。「会社の常識は、世間の非常識」的な状態は数多くあります。それが会社の個性になっている面もありますが、「究極AVシステム」のように、全くトンチンカンな方向に進む危険性もあるのです。
    こうしたリスクは、会社の中だけに閉じこもっても発見することはできません。もっと別の視点から物事を見る必要があります。弱い人脈は、別の視点からものを見る際の良い道しるべとなるのです。つまり、弱い人脈を活用するとは、別の視点からものを見ることにつながるのです。
    しかも、弱い人脈は簡単に何本も持つことができます。彼らの視点は会社の中の人たちよりも、バラエティに富んでいます。その人達の異なった視点をうまく取り入れることで、集団の常識を外部の目から見直すことができるようになるわけです。

    前回のボートの例で言えば、ボートを遠くから弱いロープでつなぐようなイメージです。それも一本だけでなく、色々な方向から何本も。そうすることで、自分がどの方向に流されているのかを知ることができ、集団がどの方向に流されているか(そして、どの方向に引き戻さなくてはいけないか)を確認することができるようになるのです。

    さて、「別の視点」を言い換えると「バラバラな視点」になります。「バラバラ」とは、以前に申し上げた「多様性」の定義そのものです。つまり、「別の視点を持つ」ということは「多様な視点を持つ」ということに他なりません。弱い人脈が持つ多様性のメリットはこんな形で生かされていくのです。

    次回も、弱い人脈が持つ「多様性」に関して、別の側面から見ていきたいと思います。
    つづく

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